運動不足で死を招く!?
【コロナ禍以降に急増した“運動不足”という健康リスク】
2020年以降、新型コロナウイルス感染症の拡大により、私たちの生活は大きく変化しました。
リモートワーク・オンライン授業の普及、外出機会の減少、スポーツ活動の制限により、日常の中で自然と行われていた「身体活動」が大幅に減った方が多く見られます。
この変化に伴い、筋肉量の減少・体重増加・生活習慣病の増加リスクが全国的に上昇しました。特に働き盛りの年代では、座位時間が長くなることで体力低下や肩こり・腰痛などの不調が増え、健康課題が顕在化しています。
運動不足は単に体重が増えるだけではなく、体の代謝・循環・ホルモンバランス・精神状態にまで影響する全身の問題です。
【なぜ運動不足は危険なのか】
運動不足によって起こりやすい具体的な変化は以下のとおりです。
1. エネルギー消費の低下 → 体重増加・肥満の加速
身体活動が減ると、消費エネルギーが大きく減少します。その状態で以前と同じ食事量を続けると、自然に体重が増加し、内臓脂肪も蓄積しやすくなります。
2. ミトコンドリア機能の低下
運動不足はミトコンドリア(細胞のエネルギー工場)の働きを低下させ、糖質・脂質の代謝がうまく行われなくなります。
その結果、活性酸素が増え、細胞レベルの老化を促進し、生活習慣病の発症リスクも高まります。
3. メタボリックシンドロームの進行
内臓脂肪が増えることで、
・高血糖
・高血圧
・脂質異常
が起こりやすくなり、長期的には
・脳卒中
・心筋梗塞
・腎不全
など命に関わる疾患を引き起こす可能性も高まります。
4. 筋肉量の減少と基礎代謝の低下
筋肉量が減ると、基礎代謝が落ち、さらに太りやすい体質に。
特に下肢・体幹の筋力低下は姿勢の悪化や腰痛にも直結します。
【日本の死亡要因から見える「運動不足」という重大リスク】
厚生労働省の「2021年人口動態統計」によると、日本の主な死因は
- 悪性新生物(がん)
- 心疾患
- 老衰
- 脳血管疾患
これらの多くに関係する危険因子は、
・喫煙
・高血圧
・運動不足
・高血糖
・飲酒
とされています。
特に運動不足は、肥満・高血圧・高血糖と深く関連しており、
「病気の発症を早め、寿命だけでなく健康寿命を短くする要因」
として重視されています。
健康寿命を延ばすためには、生活習慣病を早期に予防・改善することが最も重要です。
【健康を守るために見直すべき5つの習慣】
私たちの身体は、毎日の小さな習慣の積み重ねによって変わっていきます。
健康体重の維持・体調管理の観点から、特に以下の5つが重要です。
1. 体重管理(体脂肪量と筋肉量のチェック)
体重の変化ではなく、筋肉と脂肪のバランスを定期的に確認することが大切です。
2. 運動習慣の確立
スポーツ、筋力トレーニング、趣味の活動など、週に150分以上の中強度運動が推奨されています。
3. バランスの良い食事
偏った栄養摂取は代謝を低下させます。タンパク質・食物繊維・良質な脂質の意識が鍵になります。
4. 嗜好の見直し(飲酒・喫煙)
節酒・禁煙は循環器・代謝の改善に直結します。
5. 睡眠の質向上
睡眠不足はホルモンバランスを乱し、太りやすさ・疲労感・血糖値上昇と強く関連します。
【まとめ:運動不足は“気づかないうちに進行する体のサイン”】
運動不足は体力低下、筋力低下、姿勢の崩れ、代謝不良など、多方面で身体に悪影響を及ぼします。
特に筋肉量は20代後半から緩やかに減少し、40〜50代で急激に低下します(サルコペニア)。加齢とともに筋肉を作るホルモンやサテライト細胞も減り、筋肉の維持・増量には以前より努力が必要になります。
早い段階から適切な運動習慣を身につけることで、
・生活習慣病の予防
・姿勢改善
・疲れにくい体づくり
・集中力の向上
・メンタルヘルスの安定
に繋がります。
運動不足は「負のサイクル」を生みますが、正しい運動習慣は「正のサイクル」をつくり、健康寿命を大きく伸ばす力があります。
【参考文献】
・厚生労働省「2021年人口動態統計月報年計」
・THE LANCET 日本特集号「日本:国民皆保険達成から50年 なぜ
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